echoの1種試験記H14-2
平成14年度の、試験前日から試験終了までの様子を記してあります。
出発
平成14年11月9日(土)午前10時半我が家の玄関を出る。明日おこなわれる第一種冷凍機械責任者試験のため名古屋に出発するのだ。
車に乗り込んで最後の荷物の点検「受験票」を死んでも忘れてはならない。さぁ出発だ、まだ時間に余裕があるので3つ先のインターから乗ることにする。少しでも高速代を浮かすためなのだ・・。
田舎道の農道を南下する、山々はもう白い、時折雪が舞ってくる。途中にリンゴ園があったリンゴ狩りの真っ最中だ、こんな時期に雪が舞うとは・・・。2時間半、高速を走れば30分だが仕方ない、節約節約。
2時半名古屋インターに到着した、地図を見ながら中区の東別院へと走る。ぅ~む、久々の大都会片側3車線の道路、広大な交差点、車の渦だ。山や畑や田んぼなど見えない、見えるのは建物ばかりだ・・・。
ぁ、ここはどこ、迷ってしまった。地図を見ようにも左側には違法駐車の波、ゆっくり止めて地図をなかなか広げることができない。グルグル、まさしく東京砂漠~♪じゃぁない「名古屋砂漠」だ。グルグルグルグル・・・結局3時半インターネット予約したホテルを発見!
ところが、「ぅう~、なんてぼろホテルだ・・・。」見た瞬間の感想。ネットの画面上では結構きれいなホテルに見えたのだが、鉄筋コンクリート造りの7階建て。壁はヒビが入り、雨でしっかり汚れている・・・・。マァしょうがないか、意外に安かったしこんなものかも知れない。
気を取り直して駐車場に突っ込んだ・・が、なんと狭い駐車場だ、なんども切り返しをした。3時40分フロントでチェックイン、車は明日の夕方まで止めてくれるという話だったので確認する。OK!快い返事。
宿泊代+夜昼駐車代1800円で、6525円也・・・安い!ぼろホテルだけのことはある。車のキーを預け、411号室のキーをもらう。411か・・・「良い一番」「死へ一直線」などと思いながら、小さなエレベーターに乗る。中は傷だらけの落書きだらけだ・・・。チーン4階に到着、411号室の扉を開ける。
「狭い。」入った第一印象。四畳半?ベッドと机と椅子、一人分歩ける隙間しかない。まぁいいか、バストイレ付きだし・・・・小さなユニットバスだけど。照明は40Wのミニ球のブラケットが二つと机の上のスタンド一個。
暗い。
窓は小さな窓がカーテン越しにあり、カーテンを開けたらガラスにヒビが入っている。机の前の正面にドアがあった、少し開いている。洋服ダンスかと思い開けてみると・・・!パイプシャフトかよ!中にはニョキニョキと配管が通っているのでありました。
「なんだよ、扉ぐらい直しておけよ~」どうやっても2cmぐらいの透き間があいてしまう。まぁ、いいか宿泊代4725円だから・・・・(汗 とりあえず、荷物を整理して会場の下見に行くことにする。
外に出た寒い風が寒い、長野とたいしてかわらないなぁ~コートを持ってきて正解だった。それにしても車が多い車の騒音しか聞こえない、こんなところで生活できないようなぁ。
などと思いながら歩道を歩いていると、在りました。「愛知産業大学工業高等学校」思い切り近くにありました、歩いて5分ぐらいだ。これなら寝坊をしない限り遅刻の心配はない。
玄関にはすでに明日の案内板が用意してあった、高圧ガス保安責任者と販売責任者試験とある受験番号と人数と教室番号も見えた、冷凍1種3科目受験者111人也・・・・か。自分は2階の教室である。いよいよ明日かぁ~、この3ヶ月間長かったような短かったような。寒い、もうホテルに帰ろう。
帰り道にローソンがあったので夕食の弁当を買うことにした。それから朝食のカップラーメンと試験会場で食べるパンそれからお茶のペットボトル。
試験前夜
午後5時少し前にホテルの部屋に到着。さぁ~これから最後の勉強をしよう、これで最後なのだ。小さな机の上の湯飲みやポットを片付け参考書を広げる。
法規の過去問ををまずざ~っとやることにした。2年分をほんとにざ~っとやってしまった、12年度のような問題が出たらやばいかもしれないがまぁこのぐらいで良いだろう。
5時半になった、腹が減ってきたので夕飯にした。それとお風呂に入ってサッパリしよう。ぅ~む、ユニットバスはあいかわらず小さいなぁ~、ゆっくり入った気がしない。熱めの湯にして狭いバスタブの中に強引に身体を沈めた。ぁあ~、このままテレビでも見ながらボ~っと眠りにつきたいものだ。しか~し、最後まで頑張るのだ!
奮起して浴衣に着替え、また椅子に座った。
「保安管理技術」はMyノートを最初から一通り読むことにした。ジックリと読みながら不安なところはノートの書いていく、しかし、不安なところばかりだ。
意外に時間がかかった、終わったのは8時半頃であった。ぅ~ん、完璧ではない!でも、もうしょうがないだろうこの辺で力つきることにする・・・・。
次は「学識」だ。とにかく線図と公式を書いてみるしかない。2段圧縮、熱交換、凝縮器、蒸発器、圧力容器とドンドン書いた。
2ヶ月前のことを考えれば確実に覚えられたことに気が付く。なにやら嬉しくなってジ~んと来る。しかし!まる覚えの感じなので、ひねられると駄目だろうなぁ。標準!?のサイクル問題が出てくれると良いのだが・・、不安のまま10時半。
ぁあ~終わりにしよう、やれるだけやった!ことに、しよう。あとは、自分の頭の中に任せるだけだ、どれだけ記憶として残っているのか・・。
さぁ寝よう。ベッドは結構良い寝心地であった、枕もいい感じ。薬も飲まなくても良いだろう。
ゥイ~ン・・・ゥイ~ン・・・ゥイ~ン。ぅ、うるさい。
目を閉じるとどこからか、循環ポンプの発停の音が聞こえてくる・・、気になって眠れない。すでに、1時間経ってしまった。結局、薬を半粒飲んで眠りについたのでありました。
いよいよ試験の日
6時半に目が覚めた。テレビを付けて少しボ~っとしていた、6時間は寝ただろう。とりあえず体調はいい感じだ。
外は晴れている、風邪がないし天気予報では昨日よりは暖かいらしい。よ~し、熱めのシャワーを浴びよう、髭も剃ってサッパリしよう。髭は備え付けの剃刀できれいサッパリ剃った、ぅ~んサッパリ。
ちんけな湯沸かしでお湯を沸かし、カップラーメンで朝食也。少々寂しい感じがするが、こういうおもいはだいぶ慣れている。
午前8時15分、出発まであと5分。やけに緊張してきた、何度か味わうこの緊張感。こういうときは、ス~ゥウ~~はぁあ~・・と、一回深呼吸する。この緊張感を、快感に変えるのだ。
「自分は本番に強い。」と、もう一人の自分に言う。そして、何も考えない「無の境地」へと自分を導くのだ。
8時20分、いざ出陣!
日曜の朝8時半・・・・都会の朝はまだ寝ているのか、車も人もまだ少ない。試験会場へと、早くもなく遅くもなくゆったりした気分で歩く。
途中にある寺院で100円玉を賽銭箱に投げ込み神頼み・・いや、仏様頼みか。「変な問題が出ませんように」寺院の駐車場を横切ると、試験会場である。
ぞくぞくと人々が集まっていた、腕に腕章を付けた係員が立っている。自分の受験番号を確認、2階の教室である。係員が誘導してくれている、ほぉ~なかなか親切なのね。
26教室へと向かう、鉄筋コンクリートのなかなかきれいな建物である。教室にはいるとすでに半分ぐらいの受験者が来ていた。黙々と参考書を広げている人、なにもしていない人、いつもの受検風景である。
自分の席を確認、中ほどの前から4番目である。さっそく法規をまとめたメモを出し、最初から目を通すことにした。最後の悪あがきだ、とにかく目に焼き付けるのだ。
そうこうしている内に、試験管が2人入ってきた。一人は結構若い、もう一人は30代中頃といった感じであろうか・・・どこかで見たような。そうだ、目覚ましテレビに出てくる「アミーゴ伊藤」アナにそっくりである。
アミーゴ伊藤さんが説明をはじめた、喋り方も似ているし少々冗談も入れて説明をする。ぅ~ん、ますますアミーゴ伊藤にそっくりだ。そんなことを考えているうちに、問題用紙とマークシート用紙が配られた。受験番号と氏名を書く。
試験開始
午前9時半、いよいよ試験の開始だ。
問1・・うむ、お決まりの「自主的な活動・・」から始まって「現にその圧力が・・・」の、問題である。法規は時間は十分ある、1問ずつジックリと解いていく。
問題用紙の正解番号に印を付けていく、ちょいとわからない問題は消去法で考える。誤っていると思われものから消していき、残ったものを比べ考える。ちょいと時間がかかりそうなものは、?マークを書いて後回し。マークシートには10問ほど解いてから、間違えないように確実に答えをマークする。
20問目を通すのに約30分でできた、30分で教室を出ていく受験者が結構いる。自分も早いとこきりあげよう、いつもは時間いっぱいまで確認などしているのだが、今回は早く保安管理の勉強をしたいのだ。最後の確認をし、マークシート用紙を渡して教室を出た。(法令は後日採点で100点満点)
少し疲れた。外に出ると、暖かな日がさしていた。中庭には喫煙所が設けられていた、「とにかく、(-.-)y-.。o○」中庭は風邪もなく雲の切れ目から差し込む日差しが温かく気持ちよい。周りには受験生が雑談をかわしている、いつもながらの受検風景だ。
お茶のペットボトルを取り出しのどを潤す。2階のベランダにはノートや参考書を広げている人がポツリポツリ。ぁ、早く自分も勉強せねば!
2階のベランダに行き、Myノートを広げる。まだ試験開始の11時までは40分ほどある、最初のページから目を通していく。頭にはいるかどうか分からないが、とにかく集中して読む。
日差しが温かい。10時40分頃教室に入り、机の上にMyノートを広げる。最後の最後まで悪あがきをするのだ・・。
保安管理技術試験開始
10時50分頃試験管が入場、軽く説明の後問題用紙と解答用紙が配られた。解答用紙は5枚あった、1問につき1枚でそれぞれに受験番号と氏名を書く。
ほぉ、と言うことは採点は問1だけ採点する人問2だけ採点する人と言う具合にしているのであろうか。
午前11時試験開始!
問1 往復圧縮機の容量制御の方法を四つ挙げその特徴を書けか・・・、何回も過去問でやった問題である、ところがなかなか頭に浮かんでこない。
アンローダ、オンオフ・・・・手が震えている、心拍数も上がっている。隣の受験生のすばやく書いていく鉛筆の音がやけに大きく聞こえる。なんて早く書いているんだ!
ぉ、お、落ち着け!本番には強いはずではないか!心の中で叫び一度大きく深呼吸をする。ふ~・・・・とりあえず1問目パス!
問2 開放形圧縮機・受液器兼用水冷凝縮器・フルオロカーボン・凝縮圧力上昇・高圧遮断スイッチ作動寸前状態、異常高圧になった原因を四つ挙げその処置方法・冷凍装置に及ぼす悪影響を二つと、いった問題。
これも何度となく過去問でやったはず、すらりすらりと書けるはず、ぅ~なかなかHBが動かない。途中で、パス!
問3 凝縮圧力調整弁と冷却水調整弁の作動原理と使用上の注意点。ぅ!!Myノートにも書いたし何回か過去問にも出ていたが・・・うまく書けない。途中でパス!結局うる覚えなのだ。
問4 吐出し配管で二つ、吸込み配管で三つ施工上の注意点を挙げろ。 っ!!!配管の施行か!あまり勉強しなかった。ウルウル覚え パス!
問5 冷凍機油の選定にあたって、重要と思われる油の性質を五つあげよ。冷媒充てん量が不足した場合の装置への悪影響を五つあげ選定にあたっての重要な性質・・五つも思いつかない。冷媒不足はとりあえず五つ書き上げる。
ふと時計をみた、すでに50分ほど経過している。やばい、時間が無くなる!解答用紙を渡し教室を出ていく受験生がいる、ぅう~もう書いちゃったわけ!?焦る!脂汗が出てきた。
とにかく問1に戻る。書き始めるが、途中でいき詰まったり何度も書き直したりで全ての問題を中途半端に書いていく。時間は、あっという間に過ぎていく。
後10分、もう思いついた事を殴り書き状態である。汚い字だ・・・・。
試験管が終わりと言うまでHBを動かしていた。12時半試験終了・・・・・解答用紙を渡し席に戻った。暫く呆然としていたような気がする。
疲れた、とにかく疲れたのだ、いったい何をどう書いたのか覚えていない。(後日の採点でも何点取れたのか分からない、とにかく60点はいっていないのは確実)
ため息を一つ、トイレに行ってechoを一本吸う。たばこを吸っていたらなんだか寂しくなってきた・・・、携帯でメールを打つ「疲れた」。「頑張って」と、家族から返事が来る、少し幸せな気分になる。
教室に戻って、昼飯を食べることにしよう。教室には約半分ほどの受験生がいた、コンビニ弁当を食べている人、お弁当持参の人、パンを食べている人、ぼ~っと座っている人、すでに参考書を開いている人・・・・それぞれの人生。
昨日ローソンで買ったパンを一つ食べお茶を飲む、美味しくはなかった。食べ終わってから早速に、公式を頭にたたき込む。何度も何度もノートに書いた公式である、が、不安が常に頭をよぎる。
しかし、疲れたなんとも言えない虚脱感。だが、最後の試験「学識」に全力でいどむしかない・・・悔いの無いように!深呼吸し、くぅ~頑張るぞ!気合を入れた。
学識試験開始
アミ~ゴ伊藤の説明が始まった、なんだか心がなごむなぁ~。午後1時半、いよいよ最後「学識」の試験である。
問1 二段圧縮二段膨張冷凍装置の冷媒循環量と成績係数を求める問題。(計算式の記述は必要なし)お!見慣れた問題、左の余白ページに熱収支の公式を書く。解ける、これなら解ける!
暫くして、冷凍能力12.5Rt!!1Rtは、なんキロワットだ?ぁあ~、わからない!そんなぁ。気を静めて記憶の奥底から引っ張り出そうとじっと念じてみる・・・・が、思い出せない。
パス!
成績係数はエンタルピーと効率でなんとか計算した、答え1.18なり。(後日の解答発表で、1.174となっていたのでたぶん正解?していたかも)
問2 蒸発器、膨張弁がそれぞれ二つと絞り弁一つの冷凍サイクル。モリエル線図を書け、圧縮機吸い込み蒸気比エンタルピーと、蒸発器1、蒸発器2の冷凍能力と理論冷凍成績係数を表す式を書け。
ぅ、線図が分からない、パス!式は4つともなんと書き上がった。(4つとも正解していました)
問3 凝縮器の熱の問題 熱通過率と冷却水量を求ればよい。(計算式記述)ぉ、いけるぞ、これなら解ける。
スラスラ?と書き上げる。ヨシOk!しか~し、後日良く見たら冷却水汚れ係数を式に組み込むのを忘れていたのでありました!よって、問3は撃沈・全滅・無念。 やはり焦っていたため問題をよ~く見なかったのが原因である。
問4 空欄問題 沸点、冷媒と水と油、冷媒の種類と性質といったような問題。これはなんとかクリア、全問正解20点獲得!
最後はお決まりの応力問題
問5 使用可能な基準凝縮温度を求め、最大引張り応力を求める。(計算式記述)この問題は落とすわけにはいかない。覚える公式も少ないし式を覚えればあとは答えを導き出す考え方をまとめればよい。これも、20点獲得!
終了時間午後3時半が近づいた。残るは問1のRtと問2の線図である、あとの問題は一応確認した。問1の問題は悔しいRtさえ分かれば解けたのだ。問2の線図は適当に書いた(間違っていましたけど・・)
結局、保安管理技術も含め勉強が足りない!基礎がなってない!のである。
全てが終わった
午後3時半試験が終わった。何もかも終わった、疲れた、本当に疲れた、いままでの試験の中で一番!疲れた。 都会の雑踏の中、歩道をゆっくり歩いた、あとは帰途につくだけなのだ。
ゆっくりと荷物をまとめ試験会場をあとにした。あたりはもう夕暮れ時で日差しも弱くなっていて寒い。
帰ろう、我が家に帰ろう・・・・・全ては終わったのだ。悔いはない!が、満足感はあまりなかったとりあえず燃え尽きたって感じ。
心の中で叫んだ。
「よぉ~おし、来年も頑張るぞぉお~!」と。 終わり 03/02/23記す
私の受検した愛知県試験会場の結果
【全科目受験者】
25教室 受験番号1570001~1570030 受験者数30人 合格者数6人
26教室 受験番号1570031~1570070 受験者数40人 合格者数6人
27教室 受験番号1570071~1570111 受験者数40人 合格者数3人
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受験者数 110人 合格者数 15人 合格率 13.6%(受験者数は当日の欠席者含)
出発
平成14年11月9日(土)午前10時半我が家の玄関を出る。明日おこなわれる第一種冷凍機械責任者試験のため名古屋に出発するのだ。
車に乗り込んで最後の荷物の点検「受験票」を死んでも忘れてはならない。さぁ出発だ、まだ時間に余裕があるので3つ先のインターから乗ることにする。少しでも高速代を浮かすためなのだ・・。
田舎道の農道を南下する、山々はもう白い、時折雪が舞ってくる。途中にリンゴ園があったリンゴ狩りの真っ最中だ、こんな時期に雪が舞うとは・・・。2時間半、高速を走れば30分だが仕方ない、節約節約。
2時半名古屋インターに到着した、地図を見ながら中区の東別院へと走る。ぅ~む、久々の大都会片側3車線の道路、広大な交差点、車の渦だ。山や畑や田んぼなど見えない、見えるのは建物ばかりだ・・・。
ぁ、ここはどこ、迷ってしまった。地図を見ようにも左側には違法駐車の波、ゆっくり止めて地図をなかなか広げることができない。グルグル、まさしく東京砂漠~♪じゃぁない「名古屋砂漠」だ。グルグルグルグル・・・結局3時半インターネット予約したホテルを発見!
ところが、「ぅう~、なんてぼろホテルだ・・・。」見た瞬間の感想。ネットの画面上では結構きれいなホテルに見えたのだが、鉄筋コンクリート造りの7階建て。壁はヒビが入り、雨でしっかり汚れている・・・・。マァしょうがないか、意外に安かったしこんなものかも知れない。
気を取り直して駐車場に突っ込んだ・・が、なんと狭い駐車場だ、なんども切り返しをした。3時40分フロントでチェックイン、車は明日の夕方まで止めてくれるという話だったので確認する。OK!快い返事。
宿泊代+夜昼駐車代1800円で、6525円也・・・安い!ぼろホテルだけのことはある。車のキーを預け、411号室のキーをもらう。411か・・・「良い一番」「死へ一直線」などと思いながら、小さなエレベーターに乗る。中は傷だらけの落書きだらけだ・・・。チーン4階に到着、411号室の扉を開ける。
「狭い。」入った第一印象。四畳半?ベッドと机と椅子、一人分歩ける隙間しかない。まぁいいか、バストイレ付きだし・・・・小さなユニットバスだけど。照明は40Wのミニ球のブラケットが二つと机の上のスタンド一個。
暗い。
窓は小さな窓がカーテン越しにあり、カーテンを開けたらガラスにヒビが入っている。机の前の正面にドアがあった、少し開いている。洋服ダンスかと思い開けてみると・・・!パイプシャフトかよ!中にはニョキニョキと配管が通っているのでありました。
「なんだよ、扉ぐらい直しておけよ~」どうやっても2cmぐらいの透き間があいてしまう。まぁ、いいか宿泊代4725円だから・・・・(汗 とりあえず、荷物を整理して会場の下見に行くことにする。
外に出た寒い風が寒い、長野とたいしてかわらないなぁ~コートを持ってきて正解だった。それにしても車が多い車の騒音しか聞こえない、こんなところで生活できないようなぁ。
などと思いながら歩道を歩いていると、在りました。「愛知産業大学工業高等学校」思い切り近くにありました、歩いて5分ぐらいだ。これなら寝坊をしない限り遅刻の心配はない。
玄関にはすでに明日の案内板が用意してあった、高圧ガス保安責任者と販売責任者試験とある受験番号と人数と教室番号も見えた、冷凍1種3科目受験者111人也・・・・か。自分は2階の教室である。いよいよ明日かぁ~、この3ヶ月間長かったような短かったような。寒い、もうホテルに帰ろう。
帰り道にローソンがあったので夕食の弁当を買うことにした。それから朝食のカップラーメンと試験会場で食べるパンそれからお茶のペットボトル。
試験前夜
午後5時少し前にホテルの部屋に到着。さぁ~これから最後の勉強をしよう、これで最後なのだ。小さな机の上の湯飲みやポットを片付け参考書を広げる。
法規の過去問ををまずざ~っとやることにした。2年分をほんとにざ~っとやってしまった、12年度のような問題が出たらやばいかもしれないがまぁこのぐらいで良いだろう。
5時半になった、腹が減ってきたので夕飯にした。それとお風呂に入ってサッパリしよう。ぅ~む、ユニットバスはあいかわらず小さいなぁ~、ゆっくり入った気がしない。熱めの湯にして狭いバスタブの中に強引に身体を沈めた。ぁあ~、このままテレビでも見ながらボ~っと眠りにつきたいものだ。しか~し、最後まで頑張るのだ!
奮起して浴衣に着替え、また椅子に座った。
「保安管理技術」はMyノートを最初から一通り読むことにした。ジックリと読みながら不安なところはノートの書いていく、しかし、不安なところばかりだ。
意外に時間がかかった、終わったのは8時半頃であった。ぅ~ん、完璧ではない!でも、もうしょうがないだろうこの辺で力つきることにする・・・・。
次は「学識」だ。とにかく線図と公式を書いてみるしかない。2段圧縮、熱交換、凝縮器、蒸発器、圧力容器とドンドン書いた。
2ヶ月前のことを考えれば確実に覚えられたことに気が付く。なにやら嬉しくなってジ~んと来る。しかし!まる覚えの感じなので、ひねられると駄目だろうなぁ。標準!?のサイクル問題が出てくれると良いのだが・・、不安のまま10時半。
ぁあ~終わりにしよう、やれるだけやった!ことに、しよう。あとは、自分の頭の中に任せるだけだ、どれだけ記憶として残っているのか・・。
さぁ寝よう。ベッドは結構良い寝心地であった、枕もいい感じ。薬も飲まなくても良いだろう。
ゥイ~ン・・・ゥイ~ン・・・ゥイ~ン。ぅ、うるさい。
目を閉じるとどこからか、循環ポンプの発停の音が聞こえてくる・・、気になって眠れない。すでに、1時間経ってしまった。結局、薬を半粒飲んで眠りについたのでありました。
いよいよ試験の日
6時半に目が覚めた。テレビを付けて少しボ~っとしていた、6時間は寝ただろう。とりあえず体調はいい感じだ。
外は晴れている、風邪がないし天気予報では昨日よりは暖かいらしい。よ~し、熱めのシャワーを浴びよう、髭も剃ってサッパリしよう。髭は備え付けの剃刀できれいサッパリ剃った、ぅ~んサッパリ。
ちんけな湯沸かしでお湯を沸かし、カップラーメンで朝食也。少々寂しい感じがするが、こういうおもいはだいぶ慣れている。
午前8時15分、出発まであと5分。やけに緊張してきた、何度か味わうこの緊張感。こういうときは、ス~ゥウ~~はぁあ~・・と、一回深呼吸する。この緊張感を、快感に変えるのだ。
「自分は本番に強い。」と、もう一人の自分に言う。そして、何も考えない「無の境地」へと自分を導くのだ。
8時20分、いざ出陣!
日曜の朝8時半・・・・都会の朝はまだ寝ているのか、車も人もまだ少ない。試験会場へと、早くもなく遅くもなくゆったりした気分で歩く。
途中にある寺院で100円玉を賽銭箱に投げ込み神頼み・・いや、仏様頼みか。「変な問題が出ませんように」寺院の駐車場を横切ると、試験会場である。
ぞくぞくと人々が集まっていた、腕に腕章を付けた係員が立っている。自分の受験番号を確認、2階の教室である。係員が誘導してくれている、ほぉ~なかなか親切なのね。
26教室へと向かう、鉄筋コンクリートのなかなかきれいな建物である。教室にはいるとすでに半分ぐらいの受験者が来ていた。黙々と参考書を広げている人、なにもしていない人、いつもの受検風景である。
自分の席を確認、中ほどの前から4番目である。さっそく法規をまとめたメモを出し、最初から目を通すことにした。最後の悪あがきだ、とにかく目に焼き付けるのだ。
そうこうしている内に、試験管が2人入ってきた。一人は結構若い、もう一人は30代中頃といった感じであろうか・・・どこかで見たような。そうだ、目覚ましテレビに出てくる「アミーゴ伊藤」アナにそっくりである。
アミーゴ伊藤さんが説明をはじめた、喋り方も似ているし少々冗談も入れて説明をする。ぅ~ん、ますますアミーゴ伊藤にそっくりだ。そんなことを考えているうちに、問題用紙とマークシート用紙が配られた。受験番号と氏名を書く。
試験開始
午前9時半、いよいよ試験の開始だ。
問1・・うむ、お決まりの「自主的な活動・・」から始まって「現にその圧力が・・・」の、問題である。法規は時間は十分ある、1問ずつジックリと解いていく。
問題用紙の正解番号に印を付けていく、ちょいとわからない問題は消去法で考える。誤っていると思われものから消していき、残ったものを比べ考える。ちょいと時間がかかりそうなものは、?マークを書いて後回し。マークシートには10問ほど解いてから、間違えないように確実に答えをマークする。
20問目を通すのに約30分でできた、30分で教室を出ていく受験者が結構いる。自分も早いとこきりあげよう、いつもは時間いっぱいまで確認などしているのだが、今回は早く保安管理の勉強をしたいのだ。最後の確認をし、マークシート用紙を渡して教室を出た。(法令は後日採点で100点満点)
少し疲れた。外に出ると、暖かな日がさしていた。中庭には喫煙所が設けられていた、「とにかく、(-.-)y-.。o○」中庭は風邪もなく雲の切れ目から差し込む日差しが温かく気持ちよい。周りには受験生が雑談をかわしている、いつもながらの受検風景だ。
お茶のペットボトルを取り出しのどを潤す。2階のベランダにはノートや参考書を広げている人がポツリポツリ。ぁ、早く自分も勉強せねば!
2階のベランダに行き、Myノートを広げる。まだ試験開始の11時までは40分ほどある、最初のページから目を通していく。頭にはいるかどうか分からないが、とにかく集中して読む。
日差しが温かい。10時40分頃教室に入り、机の上にMyノートを広げる。最後の最後まで悪あがきをするのだ・・。
保安管理技術試験開始
10時50分頃試験管が入場、軽く説明の後問題用紙と解答用紙が配られた。解答用紙は5枚あった、1問につき1枚でそれぞれに受験番号と氏名を書く。
ほぉ、と言うことは採点は問1だけ採点する人問2だけ採点する人と言う具合にしているのであろうか。
午前11時試験開始!
問1 往復圧縮機の容量制御の方法を四つ挙げその特徴を書けか・・・、何回も過去問でやった問題である、ところがなかなか頭に浮かんでこない。
アンローダ、オンオフ・・・・手が震えている、心拍数も上がっている。隣の受験生のすばやく書いていく鉛筆の音がやけに大きく聞こえる。なんて早く書いているんだ!
ぉ、お、落ち着け!本番には強いはずではないか!心の中で叫び一度大きく深呼吸をする。ふ~・・・・とりあえず1問目パス!
問2 開放形圧縮機・受液器兼用水冷凝縮器・フルオロカーボン・凝縮圧力上昇・高圧遮断スイッチ作動寸前状態、異常高圧になった原因を四つ挙げその処置方法・冷凍装置に及ぼす悪影響を二つと、いった問題。
これも何度となく過去問でやったはず、すらりすらりと書けるはず、ぅ~なかなかHBが動かない。途中で、パス!
問3 凝縮圧力調整弁と冷却水調整弁の作動原理と使用上の注意点。ぅ!!Myノートにも書いたし何回か過去問にも出ていたが・・・うまく書けない。途中でパス!結局うる覚えなのだ。
問4 吐出し配管で二つ、吸込み配管で三つ施工上の注意点を挙げろ。 っ!!!配管の施行か!あまり勉強しなかった。ウルウル覚え パス!
問5 冷凍機油の選定にあたって、重要と思われる油の性質を五つあげよ。冷媒充てん量が不足した場合の装置への悪影響を五つあげ選定にあたっての重要な性質・・五つも思いつかない。冷媒不足はとりあえず五つ書き上げる。
ふと時計をみた、すでに50分ほど経過している。やばい、時間が無くなる!解答用紙を渡し教室を出ていく受験生がいる、ぅう~もう書いちゃったわけ!?焦る!脂汗が出てきた。
とにかく問1に戻る。書き始めるが、途中でいき詰まったり何度も書き直したりで全ての問題を中途半端に書いていく。時間は、あっという間に過ぎていく。
後10分、もう思いついた事を殴り書き状態である。汚い字だ・・・・。
試験管が終わりと言うまでHBを動かしていた。12時半試験終了・・・・・解答用紙を渡し席に戻った。暫く呆然としていたような気がする。
疲れた、とにかく疲れたのだ、いったい何をどう書いたのか覚えていない。(後日の採点でも何点取れたのか分からない、とにかく60点はいっていないのは確実)
ため息を一つ、トイレに行ってechoを一本吸う。たばこを吸っていたらなんだか寂しくなってきた・・・、携帯でメールを打つ「疲れた」。「頑張って」と、家族から返事が来る、少し幸せな気分になる。
教室に戻って、昼飯を食べることにしよう。教室には約半分ほどの受験生がいた、コンビニ弁当を食べている人、お弁当持参の人、パンを食べている人、ぼ~っと座っている人、すでに参考書を開いている人・・・・それぞれの人生。
昨日ローソンで買ったパンを一つ食べお茶を飲む、美味しくはなかった。食べ終わってから早速に、公式を頭にたたき込む。何度も何度もノートに書いた公式である、が、不安が常に頭をよぎる。
しかし、疲れたなんとも言えない虚脱感。だが、最後の試験「学識」に全力でいどむしかない・・・悔いの無いように!深呼吸し、くぅ~頑張るぞ!気合を入れた。
学識試験開始
アミ~ゴ伊藤の説明が始まった、なんだか心がなごむなぁ~。午後1時半、いよいよ最後「学識」の試験である。
問1 二段圧縮二段膨張冷凍装置の冷媒循環量と成績係数を求める問題。(計算式の記述は必要なし)お!見慣れた問題、左の余白ページに熱収支の公式を書く。解ける、これなら解ける!
暫くして、冷凍能力12.5Rt!!1Rtは、なんキロワットだ?ぁあ~、わからない!そんなぁ。気を静めて記憶の奥底から引っ張り出そうとじっと念じてみる・・・・が、思い出せない。
パス!
成績係数はエンタルピーと効率でなんとか計算した、答え1.18なり。(後日の解答発表で、1.174となっていたのでたぶん正解?していたかも)
問2 蒸発器、膨張弁がそれぞれ二つと絞り弁一つの冷凍サイクル。モリエル線図を書け、圧縮機吸い込み蒸気比エンタルピーと、蒸発器1、蒸発器2の冷凍能力と理論冷凍成績係数を表す式を書け。
ぅ、線図が分からない、パス!式は4つともなんと書き上がった。(4つとも正解していました)
問3 凝縮器の熱の問題 熱通過率と冷却水量を求ればよい。(計算式記述)ぉ、いけるぞ、これなら解ける。
スラスラ?と書き上げる。ヨシOk!しか~し、後日良く見たら冷却水汚れ係数を式に組み込むのを忘れていたのでありました!よって、問3は撃沈・全滅・無念。 やはり焦っていたため問題をよ~く見なかったのが原因である。
問4 空欄問題 沸点、冷媒と水と油、冷媒の種類と性質といったような問題。これはなんとかクリア、全問正解20点獲得!
最後はお決まりの応力問題
問5 使用可能な基準凝縮温度を求め、最大引張り応力を求める。(計算式記述)この問題は落とすわけにはいかない。覚える公式も少ないし式を覚えればあとは答えを導き出す考え方をまとめればよい。これも、20点獲得!
終了時間午後3時半が近づいた。残るは問1のRtと問2の線図である、あとの問題は一応確認した。問1の問題は悔しいRtさえ分かれば解けたのだ。問2の線図は適当に書いた(間違っていましたけど・・)
結局、保安管理技術も含め勉強が足りない!基礎がなってない!のである。
全てが終わった
午後3時半試験が終わった。何もかも終わった、疲れた、本当に疲れた、いままでの試験の中で一番!疲れた。 都会の雑踏の中、歩道をゆっくり歩いた、あとは帰途につくだけなのだ。
ゆっくりと荷物をまとめ試験会場をあとにした。あたりはもう夕暮れ時で日差しも弱くなっていて寒い。
帰ろう、我が家に帰ろう・・・・・全ては終わったのだ。悔いはない!が、満足感はあまりなかったとりあえず燃え尽きたって感じ。
心の中で叫んだ。
「よぉ~おし、来年も頑張るぞぉお~!」と。 終わり 03/02/23記す
私の受検した愛知県試験会場の結果
【全科目受験者】
25教室 受験番号1570001~1570030 受験者数30人 合格者数6人
26教室 受験番号1570031~1570070 受験者数40人 合格者数6人
27教室 受験番号1570071~1570111 受験者数40人 合格者数3人
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受験者数 110人 合格者数 15人 合格率 13.6%(受験者数は当日の欠席者含)